従業員エンゲージメントを高めることが個人と組織のいきいきを高める
2020/10/09
従業員エンゲージメントという言葉は最近よく耳にするキーワードです。
今回は、「従業員エンゲージメントを高めることが個人と組織のいきいきを高める」についてご紹介します。
従業員エンゲージメントとは
まず、「エンゲージメント」という用語についてみていきましょう。
「エンゲージメント」とは、「約束、契約、債務、婚約、婚約期間、雇用、雇用契約、交戦、かみ合い」という意味で使われる用語で、企業や人、ブランドやサービスなどへの愛着・絆、関係性を指す言葉として使われています。
人事領域における「従業員エンゲージメント」とは、やりがいや働きがいを表す概念を指し、組織に対する愛着心、ロイヤルティ、愛社精神としても使われています。
ボストン大学のウィリアム・カーン教授は、「組織メンバー自身が仕事上の役割に活かすもの;エンゲージメントすると人は肉体的、認知的、感情的に専心するとともに役割の中で自己表現する」と定義づけました。
従業員満足度との違い
「従業員エンゲージメント」と一緒にして考えやすい概念として「従業員満足度」があります。
「従業員満足度」は、従業員が仕事の内容や待遇、報酬、職場環境、職場の人間関係などに対してどれくらい満足しているかを指します。
つまり、従業員が企業の目標やビジョン、職場環境、仕事の内容、福利厚生、待遇などについて、どれだけ「満足」しているかを数値化したものといえます。
各企業でも従業員満足度調査をされていらっしゃることも多いのではないでしょうか。
従業員満足度調査は、従業員の働きやすさに関連する項目から形成されており、働きやすさを定量的に測定するツールとして使用されています。
「従業員エンゲージメント調査」は、従業員の仕事に対する熱意や思い入れに関連する項目から形成されており、働きがいを測定するツールとして使用されているところが大きな違いになります。
つまり、従業員エンゲージメントは、企業への理解や共感を保った上での 自発的な貢献意欲 を指すものといえます。
ギャラップ社の従業員エンゲージメント・サーベイ
米国の調査会社であるギャラップ社が実施した従業員エンゲージメント調査によると、熱意にあふれる従業員の世界平均は15%であったに対し、日本の熱意にあふれる従業員は6%で139カ国中132位と最下位に近いレベルでした。
世界平均と日本を細かく比較すると、以下になります。
熱意に溢れる従業員:世界15% 日本6%
手を抜いている従業員:世界67% 日本71%
周囲に不満をぶちまけている従業員:世界18% 日本23%
資料出所:Gallup「State of the Global Workplace2017」
従業員エンゲージメントを高めていくには働きがい改革をおこなう
わたしたちの日本は、安倍政権において働き方改革として様々な取り組みがなされてきました。
しかし、これらは政府主導で進められた施策ということもあり、労働時間の削減や休暇制度の充実など法規制に関する取り組みを中心に進められてきた制度改革でした。
働き方改革が促進したいま、求められるものはこのような低い従業員エンゲージメントをいかに高めていくことが大切かではないでしょうか。
従業員エンゲージメントを高めていくことは、離職率の低下、労働生産性の向上、メンタルヘルスの0次予防対策など企業にとっても個人にとってもメリットがある取り組みです。
個人のいきいき、組織のいきいきを高めて活性化した会社を創っていきましょう。